応援エッセイ

おかあさんコーラス大会の魅力は、これまでに参加された数多くのおかあさんが、自分たちの手で創り上げてきたものなんです。 全日本合唱連盟副理事長 野村 維男(のむら つぐお)

2011年の「第34回全日本おかあさんコーラス全国大会」はアクロス福岡シンフォニーホールで開催されました。今年の大会では、東日本大震災の被災地に向けたメッセージをいろいろな形で感じることができました。

第1回の大会が開催されたのは1978年8月27日、会場は東京の虎ノ門ホールでした。当時、私は東京都合唱連盟の一員として大会の立ち上げに関わっていました。このころ、各地でおかあさんコーラスのための催しが始まり、全日本合唱連盟でもプレ大会を行うなど、おかあさんコーラスはすでに盛んになっていました。全国から代表を選ぶしくみができ、キユーピー株式会社が協賛してくださることになって、合唱の新しい動きが始まるという大きな期待感の中で準備を進めました。そして迎えた第1回大会のオープニング。客席通路をステージへと向かう、参加団体代表の入場行進の列を感慨深く見守っていたことを、今でもはっきりと覚えています。

この時の参加団体は支部大会に232団体、そこから選ばれて全国大会に出場したのは23団体でした。今年は県大会・支部大会への参加が898団体、全国大会が61団体。第1回から考えると、大会はとても大きく、そして盛んになりました。しかし、変わったのは参加団体の数や開催会場の数だけではありません。むしろ、その内容の変化に驚くばかりです。

おかあさんコーラス大会は、34年間に合唱のイメージを大きく拡げてきました。その魅力はどんなところにあるのか考えてみました。第一に、演奏される曲が実にさまざまなことです。今年のプログラムを見ると、歌われる曲がいかにバラエティーに富んでいるかがよく分かります。日本の合唱曲が多いのは当然ですが、アニメソング、ポップス、難易度の高い海外の現代作品、ミュージカル・ナンバーなどなどジャンルを問わず歌われています。全国大会も支部大会もひとつのコンサートとして楽しむことができます。第二に、どの合唱団の演奏も素晴らしいことです。メンバーのみなさんの日頃の努力や充実した活動が表れていると思います。第三に、演出を加えて合唱をもっと楽しんでもらおうと、いろいろな試みをする合唱団があることです。音楽と演出がうまくかみ合ったときのインパクトは格別なものがあります。

このような「魅力」は、全国各地の大会にこれまで参加された数多くのおかあさんコーラスが自分たちの手で創り上げてきたものだということに価値があります。これからも参加するみなさんによって、この大会をさらに「進化」させていってくださることが何より大切だと感じています。大会の発展に、また全国のおかあさんコーラスの輪をさらに大きくすることに努めたいと思っています。

全日本合唱連盟副理事長 野村 維男(のむら つぐお)
1940年生まれ。早稲田大学政経学部卒業。大学入学後に合唱を始め合唱指揮者・関屋晋先生と出会う。卒業後も会社勤めの傍ら、松原混声合唱団、晋友会合唱団等に所属し、小澤征爾/ベルリンフィルによるオルフ「カルミナ・ブラーナ」などに出演。現役合唱団員として歌うとともに自称「裏方」として合唱連盟の活動に参画。

※本内容は、2011年時点のものです。

このページのTOPへ